溶接電流計算

溶接部の強度(許容荷重)を溶接タイプ・脚長・母材強度から計算します。

免責事項

本ツールは概算の目安です。実際の施工前には、必ず資格を持つ溶接技能者や構造設計者、または地域の建築基準法に基づく確認を行ってください。

溶接計算機:すみ肉溶接と突合せ溶接の許容荷重

この溶接計算機は、脚長(またはのど厚)、溶接長、母材の引張強さまたはせん断強さから、すみ肉溶接または突合せ溶接の許容荷重を、6種類の継手構成(片面・両面横向きすみ肉溶接、平行すみ肉溶接、複合溶接、片面・両面突合せ溶接)に対する標準的な材料力学の公式を使って概算します。米国の鉄骨工事向けにAWS D1.1による許容応力チェックも用意されています。これは初期サイジングと概算確認のためのツールであり、実際の溶接継手における有資格溶接工や技術者の承認に代わるものではありません。

溶接計算機の使い方

  1. 継手に合った溶接タイプ(片面・両面横向きすみ肉溶接、平行すみ肉溶接、複合溶接、片面・両面突合せ溶接)と計算基準(一般力学、または米国の鉄骨工事向けAWS D1.1)を選びます。
  2. 脚長(すみ肉溶接)またはのど厚(突合せ溶接)と溶接長を入力します。
  3. 母材の引張強さとせん断強さを入力するか、軟鋼A36、構造用鋼350 MPa、ステンレス304、アルミニウム6061-T6などの材料プリセットを選びます。
  4. 計算されたニュートン(またはkN)単位の許容荷重を確認し、継手に実際にかかる荷重と比較します。

許容荷重の計算方法

片面横向きすみ肉溶接では、許容荷重P = 0.707 x a x sigma x lで、aは脚長、sigmaは母材の引張強さ、lは溶接長です。0.707(sin45度)は脚長を有効のど厚に換算する係数です。両面溶接ではこの値が2倍になり、平行すみ肉溶接は同じ面積0.707 x a x lをせん断強さ(tau)で計算し、突合せ溶接はのど厚をそのまま使ってP = t x l x sigmaとなります。

計算例:脚長8mm、長さ100mmのすみ肉溶接を、軟鋼A36(引張強さ約400 MPa)に施工した場合、P = 0.707 x 0.008 x 400,000,000 x 0.1 で約226,000 N(226 kN)となります。AWS D1.1で確認すると、同じ継手を極限値ではなく0.30 x 400 MPa = 120 MPaの許容応力で評価するため、安全係数を織り込んだより低い許容荷重になります。

ヒント

この計算機は溶接の強度を確認するものであり、溶接棒やワイヤーの消費量は計算しません。材料の見積もりは、継手とパス数が決まった段階で溶接工に別途算出してもらってください。

タック溶接、手直し、多層盛りのための余裕を見ておきましょう。実際の溶接で測定されるのど厚は、この式で使う公称脚長より小さいことが多いため、計算結果は上限値として扱ってください。

日本では、上記の226 kNの計算例のようなすみ肉溶接や突合せ溶接を有資格溶接工に点検・施工してもらう場合、継手の複雑さやアクセスのしやすさにもよりますが、通常1回の出張で23,000円~90,000円程度が目安です。