ファクタリング手数料 計算シミュレーター

買取額、留保金、手数料と実質年率を計算できます。さらに売掛金台帳の資金枠と買戻し期限を管理し、入金遅延による資金ショートを事前に把握できます。

このツールが他のシミュレーターと違う点

ネット上のファクタリング手数料シミュレーターは、ほぼすべてが業者または比較サイトの集客ツールです。計算しているのは「請求額 × 手数料率」だけで、実際に資金繰りを狂わせる二つの要素が抜けています。

一つ目は入金のタイミングです。買取率が90%なら、残りの10%は留保金として後から支払われます。つまり入金は一度ではなく二度に分かれ、その間隔は取引先の支払いサイト次第で1か月以上開くこともあります。この二つを一つの数字にまとめてしまうと、資金繰り表は現実と合いません。

二つ目は買戻し期限です。契約に償還請求権(リコース)が付いている場合、取引先が期限内に支払わなければ、その債権は資金枠から外れます。督促状が届くわけでもなく、業者の管理画面の数字が静かに減るだけです。このツールの「資金枠の管理」タブは、その計算をあなたの売掛金台帳から再現します。

2社間ファクタリングと3社間ファクタリング

日本のファクタリングを理解する上で最も重要な区別です。手数料が数倍変わります。

2社間ファクタリングは、あなたと業者だけで契約します。取引先には通知しないため関係に影響しませんが、業者は「取引先が本当に支払うか」を確認できず、入金後にあなたが業者へ送金する形になるため、業者側のリスクが高くなります。その結果、手数料は請求額の8%〜18%程度が相場です。債権譲渡登記を求められることも多く、その費用(司法書士報酬を含めて数万円〜十数万円)も別途かかります。

3社間ファクタリングは、取引先に債権譲渡を通知し、取引先が業者へ直接支払います。業者のリスクが下がるため手数料は2%〜9%程度に収まります。ただし取引先の承諾が必要で、資金繰りの状況を知られる可能性があります。

計算ツールでは、この差を「一括手数料」の数値を変えて比較できます。同じ請求書でも、2社間の12%と3社間の4%では実質年率が数十パーセント違います。

手数料の相場と、何で決まるのか

手数料を左右する最大の要因は、あなたの信用力ではなく取引先の信用力です。上場企業や官公庁向けの売掛金なら低く、小規模事業者向けなら高くなります。

そのほかに効いてくるのは、支払期日までの残り日数(短いほど安い)、債権額(小口は割高)、初回か継続かの取引実績、そして請求書に不備がないかです。同じ会社でも、取引先を変えれば見積りは変わります。

手数料率以外の費用も必ず確認してください。債権譲渡登記費用、印紙税、振込手数料、出張費や事務手数料などを合算すると、表示された手数料率よりも実際の負担は重くなります。このツールの「1件あたりの固定費用」欄にそれらを入力すると、総額と実質年率に反映されます。少額債権では、固定費用のほうが手数料本体より効くこともあります。

実質年率で考えると、判断が変わる

手数料10%と聞くと、年利2%の銀行融資と比べて「5倍高い」と考えてしまいがちですが、これは比較になっていません。10%は45日分の資金に対する対価であり、2%は1年分の対価です。

年率に換算するには、手数料の合計を実際に受け取った金額で割り、365を利用日数で割った値をかけます。500万円の請求書を買取率90%・手数料8%で45日間ファクタリングした場合、手数料40万円を450万円の調達に対する45日分のコストと見れば、年率換算で約72%になります。

これはファクタリングを否定する数字ではありません。銀行融資が間に合わない、赤字決算や税金滞納で融資が難しい、あるいは受注を逃すほうが損失が大きい——そうした状況では合理的な選択です。ただし「何と比べているのか」は正確に把握しておくべきで、この年率換算を表示している無料ツールは他にほとんどありません。

償還請求権(リコース)と買戻し期限

日本のファクタリングは法的には債権譲渡であり、多くの契約はノンリコース(償還請求権なし)です。つまり取引先が倒産しても、原則としてあなたが買い戻す義務はありません。これは欧米のリコース型ファクタリングと大きく異なる点です。

ただし契約書を確認してください。実務上は、取引先の支払遅延が続いた場合の買戻し条項や、債権の不存在・二重譲渡が判明した場合の遡求条項が入っていることがあります。また継続契約では、期限を過ぎた債権が次回の買取可能枠から差し引かれる運用もあります。

「資金枠の管理」タブでは、契約が買戻し期限を定めている場合にその日付を管理できます。契約書に「支払期日から◯日」と書かれていれば起算日を「支払期日」に、記載がなくノンリコースが明確なら、この機能は資金繰り予測のための目安として使ってください。

資金枠(買取可能額)はどう計算されているか

継続契約で「今いくら資金化できるか」は、売掛金の総額に買取率をかけた金額ではありません。業者は次の順序で差し引いています。

まず譲渡対象の未入金債権を集計し、そこから対象外の債権を除きます。買戻し期限を過ぎたもの、係争中のもの、契約により除外される関連会社宛や海外向けの債権などです。残った金額が対象債権です。

次に取引先ごとの集中限度を適用します。一社への依存度が高すぎる場合、超過分は枠から外れます。重要なのは、この限度が「対象外を除いた後の残高」に対して計算される点です。そのため無関係な債権が期限切れになると母数が減り、主要取引先が限度を超えてしまうことがあります。

そこに買取率をかけ、契約上の上限で頭打ちにし、すでに利用中の金額を引いた残りが実際に使える金額です。このツールは各差引を理由付きで表示します。「なぜ枠が減ったのか」が分かるのは、業者の管理画面には無い機能です。

給与ファクタリングは違法です — 悪質業者の見分け方

個人の給与を対象とした「給与ファクタリング」は、金融庁が明確に貸金業に該当すると示しており、無登録業者による営業は違法です。年率換算で数百パーセントに達する事例が問題になっています。事業者向けの売掛債権ファクタリングとは全く別物として扱ってください。

事業者向けであっても、次の兆候がある業者は避けるべきです。手数料率を明示しない、契約書の控えを渡さない、保証人や担保を求める(債権譲渡なら本来不要)、分割返済を提案する(それは実質的な貸付です)、買戻しを強く要求する、法外な違約金を設定している、会社所在地や登記が確認できない。

正当な業者は、手数料の内訳、債権譲渡登記の有無と費用、買戻し条項の有無を書面で示せます。このツールで算出した実質年率が異常に高い場合は、条件を再交渉するか、他社と比較する材料として使ってください。

手数料の相場(2026年時点)

種類手数料の目安特徴
2社間ファクタリング8%〜18%取引先に通知しない。スピードは速いが手数料は高い。債権譲渡登記の費用が別途かかることが多い。
3社間ファクタリング2%〜9%取引先に通知・承諾が必要。手数料は大幅に安いが、審査と手続に時間がかかる。
医療報酬・介護報酬債権1%〜5%支払者が公的機関のため信用力が高く、手数料は最も低い水準。
買取率(掛け目)80%〜100%請求額に対する買取対象の割合。留保金がある契約では入金が二回に分かれる。
債権譲渡登記費用数万円〜十数万円登録免許税と司法書士報酬。2社間で求められることが多い。
その他の費用振込手数料・印紙税・事務手数料手数料率に含まれない場合が多く、少額債権では負担割合が大きい。

市場の目安であり、見積りの妥当性を確認するための参考値です。実際の条件は契約書と業者の明細が優先します。

ファクタリングと他の資金調達手段

ファクタリング銀行融資でんさい割引
審査の対象取引先の信用力自社の財務・決算自社と債務者の信用力
調達までの期間最短即日〜数日数週間〜1か月以上数日
負債計上されない(債権譲渡)されるされる
赤字・税金滞納時利用できる場合が多い困難困難
コスト(年率換算)高い(数十%になることも)低い(1%〜3%程度)中程度
取引先への影響2社間なら通知なしなし電子記録債権の利用が前提

ファクタリングによくある質問

ファクタリングの手数料の相場はいくらですか?

2社間ファクタリングは請求額の8%〜18%、3社間ファクタリングは2%〜9%が目安です。医療・介護報酬債権は1%〜5%程度と最も低くなります。これに債権譲渡登記費用や振込手数料が加わるため、実際の負担は表示される手数料率より重くなります。

2社間と3社間ではどちらが安いですか?

3社間のほうが大幅に安く、手数料は2%〜9%程度です。取引先に債権譲渡を通知して直接支払ってもらうため業者のリスクが下がります。ただし取引先の承諾が必要で、資金繰りの状況を知られる可能性があります。関係性を優先するなら2社間、コストを優先するなら3社間という判断になります。

手数料を実質年率にすると何パーセントですか?

手数料の合計を実際の受取額で割り、365を利用日数で割った数をかけて計算します。500万円の請求書を買取率90%・手数料8%で45日間利用した場合、年率換算で約72%です。銀行融資の年利と比較する際は、この換算をしないと桁が合いません。

審査では何を見られますか?

最も重視されるのは取引先の信用力です。上場企業や官公庁向けの債権なら通りやすく、手数料も下がります。次に請求書や契約書などの債権の実在性、支払期日までの残り日数、そして継続取引の実績です。自社が赤字でも利用できる場合が多いのは、審査対象が自社の財務ではないためです。

個人事業主やフリーランスでも使えますか?

法人向け売掛債権であれば利用できる業者があります。ただし少額債権は固定費用の負担割合が大きく、実質年率が高くなりがちです。なお個人の給与を対象とする「給与ファクタリング」は金融庁が貸金業に該当すると示しており、無登録業者の営業は違法です。事業者向けの売掛債権ファクタリングとは別物です。

償還請求権(リコース)とは何ですか?

取引先が支払わなかった場合に、業者があなたに買い戻しを求められる権利です。日本のファクタリングは法的には債権譲渡で、多くはノンリコース(償還請求権なし)です。ただし契約書に買戻し条項や、債権の不存在が判明した場合の遡求条項が入っていることがあるため、必ず確認してください。

債権譲渡登記は必要ですか?

2社間ファクタリングでは求められることが多く、3社間では通常不要です。登録免許税と司法書士報酬で数万円〜十数万円かかります。登記は法人の登記事項として第三者が確認できるため、金融機関との関係に配慮が必要な場合は、登記不要の業者を探すか3社間を検討してください。

資金枠が減ったのに入金も出金もありません。なぜですか?

多くは三つの理由のいずれかです。買戻し期限を過ぎた債権が対象外になった、取引先の集中限度を超えた分が除外された、または債権が係争状態になった。いずれも入出金を伴わず、枠の再計算だけが起こります。売掛金台帳をこのツールに入力すると、各差引が理由付きで表示されます。

会計処理はどうなりますか?

債権譲渡として売掛金を減らし、受取額との差額を売上債権売却損などの費用で処理するのが一般的です。留保金がある契約では、未回収部分を未収入金として残す必要があります。会計ソフトにファクタリング専用の機能はないため、補助科目や仮勘定での管理が必要になります。詳細は税理士に確認してください。

取引銀行に知られますか?

3社間や債権譲渡登記を伴う契約では、登記や取引先経由で把握される可能性があります。2社間で登記なしなら直接知られることは通常ありませんが、決算書に売上債権売却損が計上されれば読み取られる場合があります。融資審査への影響を懸念する場合は、事前に金融機関へ相談するほうが安全です。

分割払いはできますか?

できません。ファクタリングは債権の売買であり、返済という概念がないためです。分割返済を提案する業者は実質的に貸付を行っている可能性が高く、貸金業の登録がなければ違法です。そのような提案を受けた場合は契約せず、登録の有無を金融庁の登録貸金業者情報検索で確認してください。

このツールは銀行口座や会計ソフトと連携しますか?

しません。ログインも連携も不要で、入力したデータはこのブラウザ内にのみ保存されます。売掛金台帳は弥生会計やマネーフォワード、freee からCSVで書き出して取り込めます。連携が不要なのは、必要な情報が売掛金台帳と業者明細の利用額だけであり、銀行入出金からは個々の債権を特定できないためです。

手数料の相場は2026年時点の国内市場の目安です。給与ファクタリングが貸金業に該当するという金融庁の見解、および無登録営業の違法性については、契約前に金融庁の公表資料と登録貸金業者情報検索でご確認ください。

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