垂木長さ計算
垂木の長さと必要本数を、勾配・軒の出・屋根の長さ・間隔から計算します。
垂木長さ計算:高さ・水平距離・本数の求め方
垂木の長さは2つの寸法だけで決まります。高さ(どれだけ立ち上がるか)と水平距離(棟に届くまでにどれだけ水平方向に進むか)です。どちらか一方を間違って測ったり、間違った基準点から測ったりすると、その数値を基に切り出す垂木はすべて同じように間違ってしまいます。この計算ツールは高さと水平距離を入力すると、軒の出があればそれを加えたうえで、ピタゴラスの定理により正確な垂木の長さを求めます。屋根全体については、指定した間隔で何本の垂木が必要か、合計でどれだけの木材量になるかも計算します。
このツールは屋根勾配計算ツールを補完するものであり、重複するものではありません。目標の勾配(比率、角度、パーセントのいずれか)はすでに分かっているが実際の高さと水平距離が分からない場合は、まず屋根勾配計算ツールで水平距離に対する高さを求め、その2つの数値をこちらに入力してください。実際の切断長さ、屋根全体で必要な垂木の本数、材料費の概算が得られます。
垂木長さ計算ツールの使い方
- 高さを入力します — 垂木が立ち上がり始める桁の上端から棟までの垂直方向の高さを、任意の単位で入力します。
- 水平距離を入力します — 同じ基準点から棟の中心線までの水平距離です。単純な切妻屋根の場合、通常は建物幅の半分になります。
- 軒の出を入力します — 設計に軒の出がある場合、垂木の先端が壁の外面からどれだけ突き出るかを水平距離で入力します。
- 屋根の長さ(棟に沿った建物全体の長さ)と垂木の間隔を入力します。400 mmと600 mmが最も一般的です。
- 結果を確認します — 軒の出を含まない垂木長さ、軒の出を含む垂木長さ、屋根全体に必要な垂木の本数、木材の合計長さ、材料費の概算です。
- 目標の勾配だけが分かっていて実際の高さと水平距離が分からない場合は、まず屋根勾配計算ツールで勾配を水平距離に対する高さに変換し、その両方の数値をこちらに入力してください。
垂木長さの計算式の解説
高さ、水平距離、垂木の長さは直角三角形を形成するため、垂木の長さは単純に斜辺となります。垂木長さ = √(高さ² + 水平距離²)(ピタゴラスの定理)。軒の出を含める場合は、平方根を取る前に水平距離に軒の出を加えます。軒の出を含む長さ = √(高さ² + (水平距離 + 軒の出)²)。軒の出は末端に水平に追加される長さではなく、同じ勾配のまま続くためです。
指定した屋根の長さに対する垂木の本数は、標準的な間隔の考え方に従います。本数 = 切り上げ(屋根の長さ ÷ 垂木の間隔) + 1。等間隔に並んだ垂木の列は、間隔の数より常に1本多く必要になるため、+1を加えます。
必要な木材の合計長さは、本数 × 垂木長さ(軒の出を含む)で求められ、この値が材料費の概算の基礎にもなります。
計算例:高さ1.2 m、水平距離3.6 m、軒の出0.3 m、屋根の長さ9 m、垂木の間隔0.6 mの場合。垂木長さ(軒の出なし)= √(1.2² + 3.6²) = √14.4 ≈ 3.79 m。軒の出を含む長さ = √(1.2² + 3.9²) = √16.65 ≈ 4.08 m。垂木の本数 = 切り上げ(9 ÷ 0.6) + 1 = 15 + 1 = 16本。木材の合計長さ = 16 × 4.08 ≈ 65.3 m。
この幾何学的な長さには棟木の厚みが考慮されていません。上記の三角形は棟の中心線まで測定していますが、実際の棟木には厚みがあるため、現場での実際の切断は、上端の垂直切断で棟木の厚みの半分ほど短くなり、さらに下端の支点部分では欠き込み(バードマウス)で削られる分だけ短くなります。
日本における垂木の間隔
日本では垂木の間隔は通常303mm(メーターモジュールでは300mmや455mmも使われる)ピッチが一般的で、これは尺モジュール(1間=6尺)に基づく伝統的な木造建築の寸法体系に由来します。建築基準法施行令に基づく構造計算では、屋根の仕上げ材の重さと積雪荷重(多雪区域では割増)を考慮して垂木の断面寸法と間隔を決定します。
実務上のヒントとよくある間違い
屋根のすべての垂木について、実際に切断する基準点と同じ位置から高さと水平距離を測定してください(下端は桁の上端、上端は棟の中心線)。基準点を混在させることが、垂木同士がぴったり合わない最も一般的な原因です。
斜辺を計算する前に軒の出を水平距離に加えてください。垂木長さを計算した後に加えるのは誤りです。軒の出は同じ勾配のまま続くため、√(高さ² + (水平距離 + 軒の出)²)が正しい方法です。後から軒の出をまっすぐな追加長さとして加えると、先端の実際の長さを過大評価してしまいます。
垂木の本数を数える際に「+1」を忘れないでください。屋根の長さを間隔で割るだけでは、間隔の数が得られるだけで、垂木の本数にはなりません。
垂木下面の欠き込み(バードマウス)は、その部分の実効的な支持深さを減らしますが、この計算ツールが示す棟から先端までの全体の長さは変えません。垂直切断、欠き込み、先端の切断角度に十分な材料が残るよう、計算された長さより少し長めの木材を注文してください。
木材は決まった標準長さ(一般に3 m、3.6 m、4.2 m、4.8 mなど)で販売されています。注文時は計算した垂木の長さを次に入手可能な標準長さに切り上げ、切断による端材も材料費の見積もりに含めてください。
日本国内の垂木材の一般的な価格は1mあたり約980円で、上記の計算例(垂木16本、軒の出を含めた合計約65.3mの木材)では垂木材のみでおよそ63,994円になります。棟木や金物、切り代は含まれていません。


